見えてくる「水のいのち」の世界

 混声合唱組曲「水のいのち」は1964年11月初演、1965年に楽譜が出版されてから今年で60年になります。還暦ですね(^^)


作曲家の高田三郎先生は1913年生まれ。幼少からプロテスタント教会に通い40歳の時にカトリック信徒となられました。
武蔵野音楽大学、東京芸術大学作曲科卒、信時潔氏、プリングスハイム氏に学びました。国立音楽大学では作曲、グレゴリオ聖歌の教鞭を執られました。

高田先生曰く、(語録)
『ぼくは練習中、ものすごく長く演説をするんですよ。詩について長く話すんです。』

『ぼくは求道者なんです。その道というのは、キリストが言われた「私は道、いのち、真理である」という道だと思っていますが、ぼくは道を探し、人に聴かれる音楽であるならば、聴いていただく何物かがなくてはいけないと、自分に言い聞かせて生きてきました。』

etc..
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やはり、作曲家が詩をどう読んだのか?
その上でどう曲を紡いだのか?
曲に込めたメッセージは何か?

などを考えることは、演奏者にとってとても大切だと思います。

演奏者はそれらを踏まえて、自分なりに昇華して聴き手にそれを伝えていく。意思やイメージはみんな違ってみんないいですが、そんな歌声、ハーモニーが心に響く演奏につながると感じます。

音とリズムが合っているデジタルの音取り音源を聴いても感動はありません。
せっかく取り組むなら、歌い手も聴き手も感動する演奏を目指したいものです。


【知らなければ通り過ぎてしまう背景】を識る

1.高田先生は世界文学全集の中の「近代詩人集」でラマルティーヌの湖水という詩と出会いました。湖畔を歩くことが好きな高田先生は、岸辺を散歩して岩に腰かけて波の音をきいていると、その音が詩中の文
『Ils ont aime'』(イルゾンテメ)
「かれらかつて愛しあいぬ」
と聞こえてくるようになったといいます。
(※かれらとは、風や岩や水や木々を含めた息とし生きる一切のものをさしています

このモチーフから4曲目の『海』の波の音ハミングが生まれました。
この事実を知るまでは、[ここの歌い方、難しいなぁ〜、ハミング嫌だなぁ〜]くらいの認識でしたが、そんなドラマを知ると、一気に世界が広がりました。

4曲目から作曲された混声合唱組曲『水のいのち』。深掘りするとさらに好きになっていくのでした。


by 団内指揮者 橋本浩

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